今日は、職員の投稿記事です。当院の常勤理学療法士さんからです。

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               リハビリで顔がほかほか

 当院を受診され院内掲示物や、診察室でロコモという言葉をご記憶の方も多いと思います。これは筋肉、骨、関節などの運動器が衰えることです。同じような言葉でフレイルという言葉があります。これは耳慣れなれない言葉だと思いますが、高齢者の筋力や活動の低下のことです。同じく耳慣れない言葉にオーラルフレイルがあります。19年前より厚生省と日本医師会が提唱しています口腔機能の衰えです。

 私自身甘い物が大好きで、おまけに近所の抜歯の得意な歯科医院に通ったこともあり、歯の不足からアゴの位置がずれ、舌の動きも低下でまさにオーラルフレイルとの戦いです。

 当院のリハビリの運動療法は予約制で、終わって顔がほかほかするとの声を良く耳にします。

運動療法のメインはロコモですが、最後の全身調整で短い時間ですがオーラルフレイル対策を行っています。リスクの面からは短く回数を重ねる方がより安全だからです。

参考までに阪大歯学部丸山教授の書物より整理してみますと、頸椎やアゴの位置を調整すると首への負担が減少し頸部の血管への圧迫がとれて頭部の血流が改善し顔面の新陳代謝(酸素や栄養を与え、古い老廃物の掃除)が良くなり脳や20種類以上の顔面筋が若返る。

頭部に酸素や栄養豊富な血液を送り込むのは総頸動脈、顔面に行き渡らせるのは総頸動脈の支流の外頸動脈、顔面から老廃物を除去しているのは顔面静脈、内頸静脈、外頸動脈などで殆どの血管は首の狭いところを通っていますので、リハビリでは細心の注意が必要ですが当院では扱う症例も多く短時間に終わっていますので、気付かない患者様も多いと思います。

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以前から何度か記事を書いていただいている、うちの療法士の先生は経験年数35年のベテランの先生です。理学療法士の資格のみならず、様々な資格を取得されていて、色々なアプローチをおこなって、患者さんをいい方向へと導いてくれます。首周りは整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、歯科などの多くの科が関わるところなのですが、医師の世界ではお互いの連携がうまく取れているとはいえず、患者さんが病院巡りをしがちなところです。当院では療法士の先生のおかげで、他では治らなかった症状がとれた、との声も頂いています。