皆さま、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。当院は5日から通常通り診療を開始いたします。新年にあたり、雑感を述べたいと思います。
2018年の干支は「戊戌」(つちのえ・いぬ)。一般に干支と言うと、十二支の「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類だけを思い浮かべることと思いますが、正式には五行思想に基づいた「木・火・土・金・水」を更に陰陽二極に分けた、十干と呼ばれる「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類と組み合わせます。「戊戌」は、似たような漢字が並んでいますが実はそれぞれ正反対の意味を持ちます。
十干の「戊(つちのえ)」は、勢い良く葉が茂る様子を表し、繁栄を意味しています。一方、十二支の「戌」(いぬ)は、終焉・滅亡・終わりを意味しています。まったく正反対の意味ですね。
ところが「戊」「戌」は、陰陽五行「木・火・土・金・水」の分類ではいずれも「陽の土」に当たります。五行で方位をみるとき、「土」は東西南北のどこにも関わらず中心点にあり、五行で季節をみると、四季の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の直前の18日間ずつが「土」となります。このように五行における「土」は中庸であり、陰にも陽にも属しません。これは一種の安定とも取れるのですが、言い換えれば陰陽と言う二極に分類されない不安定な状態であり、バランスがくずれればどちらにも転ぶ可能性がある状態ともされています。この「土」がそろった場合、そのどちらかの意味合いがさらに増強されるといわれています。
つまり2018年の「戊戌」は、繁栄を意味する十干の「戊」と、滅亡を意味する十二支の「戌」が、「土」が並んだことによりその威力を最大限に強めつつ、でもどちらに転ぶかはわからない年、ということになるのです。
トランプ大統領が北朝鮮とパレスチナを挑発し、いつミサイルが飛んできてもおかしくない。イスラム過激派がいつどこでテロを起こしても不思議ではない。格差社会の犠牲の上に進む株高と、得体のしれないビットコインに浮かれる日本経済。そして自分の目の前には医療介護報酬の同時改定。これらのことがどちらに転ぶのか。繁栄か、滅亡か。。。悠久の歴史から編み出された干支は、色々なことを物語ってくれるなあと思う新年です。