大震災により起きた福島原発の放射能漏れ事故により、放射線被曝について関心を持たれている方も多いと思います。当院は整形外科ですのでレントゲン検査を行うことが多く、来院されている方の中にはレントゲン検査に対する不安をもたれる方もおられます。

では実際検査一回あたりどれくらいの被曝をうけるかというと、腰のレントゲン1回で約15ミリシーベルトといわれています。他の部位はこれよりもっと低くなります。瞬間的に一度に放射線をあびて、ガンや白血病になる確率があがる量は1000ミリシーベルトといわれていますので、同じ部位に一度に数十回もレントゲンを浴びない限り問題はないということになります。また確率があがるといってもその上がり方は軽微であり、喫煙や受動喫煙によって肺がんになる確率の数十分の一といわれています。放射線を気にするくらいなら、タバコをやめたほうがよっぽどガンにかかりにくいということなのです。

また、何より診断をするためにはレントゲンは欠かせないものの一つであり、これなくしては正確な診断治療ができず、それによって生じる不利益のほうが大きいことは明らかです。

以上より、レントゲン検査による被曝はあまり気にする必要はないということになります。